「ホームページは10年前に作ったきり」「お知らせの最新が何年も前のまま」「更新の仕方が分からない」。地方の中小企業では、こうした状態のホームページが珍しくありません。
本業が回っていると、ホームページの見直しは後回しになりがちです。しかし、古いホームページは、気づかないうちにお客様や求職者を遠ざけています。しかも、その損失は数字として見えにくいため、問題に気づくのが遅れがちです。
この記事では、古いホームページが会社に与える8つのデメリットと、リニューアルを考えるべきタイミング、部分的な手直しで済むか作り直すべきかの判断基準を整理します。最後に、今すぐできるセルフチェックも用意しました。
- ホームページを取り巻く環境が、ここ数年でどう変わったか
- 古いホームページが会社に与える8つのデメリット
- リニューアルを考えるべき5つのタイミング
- 部分改修で済むか、作り直すべきかの判断基準
- 自社のホームページの古さを確かめるセルフチェック
ホームページを取り巻く環境は、この数年で大きく変わった
10年前に作られたホームページが「古い」のは、デザインの流行が変わったからだけではありません。ホームページが見られる環境そのものが、この数年で大きく変わっています。
保有する世帯の割合
HPを刷新した企業
評価へ移行を完了
ホームページは「スマホで見られるもの」になった
総務省の「通信利用動向調査」(令和7年調査)によると、スマートフォンを保有する世帯の割合は91.8%に達しています。お客様も求職者も、まずはスマホで会社名を検索し、ホームページを見るのが当たり前になりました。
検索エンジンの側も変わっています。Googleは2023年10月、ホームページの評価をスマートフォンで見たときの状態を基準に行う仕組み(モバイルファーストインデックス)への移行が完了したと発表しました。パソコンでは問題なく見えていても、スマホで見にくいホームページは、検索でも不利になりやすいということです。
ほかの会社は、すでに見直しを進めている
クーミルが2026年2月に企業の経営企画・マーケティング担当者312人に行った調査では、直近3年以内にホームページをリニューアルした企業は56.4%と半数を超えました。きっかけとして多かったのは「デザインの老朽化」「問い合わせの減少」「採用応募の不足」です。
同業他社や、求職者が比べる地元の会社がホームページを新しくしていくなかで、自社だけが10年前のままだと、相対的に「古い会社」という印象が強くなっていきます。
古いホームページの8つのデメリット
では、古いホームページは具体的にどんな不利益をもたらすのでしょうか。よくある8つのデメリットを整理します。
1. スマホで見ると崩れる、読みにくい
パソコン向けに作られたホームページをスマホで開くと、文字が極端に小さくなったり、横にはみ出したりします。拡大しないと読めないページは、ほとんどの人が内容を読む前に閉じてしまいます。前述のとおり、検索順位の面でも不利になります。
2. 「保護されていない通信」と表示される
暗号化された通信(SSL)に対応していないホームページは、ブラウザのアドレスバーに「保護されていない通信」と表示されます。訪れた人に「このサイトは大丈夫だろうか」という不安を与えるだけでなく、お問い合わせフォームに入力された内容が保護されない状態でもあります。
3. 情報が古く、会社が止まって見える
お知らせの最新日付が数年前、掲載されている実績や社員の写真が昔のまま。内容自体が間違っていなくても、更新されていないこと自体が「今も元気に営業している会社なのか」という不安を生みます。
4. 自社で更新できず、直すたびに費用がかかる
古いホームページの多くは、文章を1行直すだけでも制作会社に依頼しなければならない作りになっています。そのたびに費用と時間がかかるため、結果として更新されなくなり、3の「情報が古い」状態を招きます。
5. 表示が遅い
大きな画像がそのまま使われている、古い仕組みで作られているといった理由で、表示に時間がかかるホームページもあります。スマホで見る人は待ってくれません。開くまでに時間がかかるだけで、離脱の原因になります。
6. セキュリティの不安がある
何年も更新されていないWordPressや、サポートが終了した古いバージョンのプログラムで動いているホームページは、セキュリティ上の弱点を抱えている可能性があります。改ざんされて不審なページが表示されたり、迷惑メールの踏み台にされたりすると、会社の信用に関わります。
7. 問い合わせや応募につながらない
「何をしている会社か」「どこに強みがあるのか」が伝わらない、問い合わせの入口が電話番号だけ、採用情報が「随時募集」の1行だけ。こうしたホームページは、せっかく訪れた人を問い合わせや応募につなげることができません。採用での影響は「建設業の採用に効くホームページとは?」で詳しく解説しています。
8. 今の会社の姿と合っていない
作った当時から事業内容が変わった、新しいサービスを始めた、代替わりして経営方針が変わった。それなのにホームページだけが昔のまま、というケースは少なくありません。ホームページは、会社の「今」を伝えるものです。今の強みが載っていなければ、選ばれる理由が伝わりません。
古いホームページの怖いところは、損失が目に見えないことです。ホームページを見て問い合わせをやめた人、応募をやめた人は、何も言わずに去っていきます。「ホームページからの問い合わせはもともと少ないから」と考えている会社ほど、実はホームページが原因で機会を逃している可能性があります。
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リニューアルを考えるべき5つのタイミング
ホームページの見直しは、一般に3〜5年が目安といわれます。ただし、年数より大切なのは「会社の状況が変わったかどうか」です。次のようなタイミングは、リニューアルを考える良いきっかけになります。
| タイミング | 見直すべき理由 | あわせて考えたいこと |
|---|---|---|
| 採用を強化したいとき | 求職者は応募前に必ずホームページを見る | 求人を出す2〜3か月前までに公開できるよう逆算する |
| 事業やサービスが変わったとき | 今の強みが伝わらず、問い合わせにつながらない | 誰に何を伝えるかから整理し直す |
| 代替わり・周年のとき | 会社の方針や想いを伝え直す機会になる | 経営者のメッセージや会社の歩みを載せる |
| 問い合わせ・応募が減ったとき | ホームページが原因になっている可能性がある | アクセスの状況を確認し、原因を探る |
| サーバーの契約更新のとき | サーバーの移転とあわせて進めると手間が少ない | ドメインとサーバーの名義を確認する |
どのタイミングでも共通するのは、「何のためにリニューアルするのか」を先に決めることです。「古くなったから」だけで始めると、見た目はきれいになっても成果が変わらない、という結果になりがちです。
部分改修で済むか、作り直すべきかの判断基準
リニューアルといっても、必ずしもすべてを作り直す必要はありません。今のホームページの状態によって、部分的な手直しで十分な場合もあります。
| 今の状態 | おすすめの対応 |
|---|---|
| 内容は今も正しく、スマホ対応とSSLもできている | 部分改修(お知らせの更新、写真の差し替え、ページの追加) |
| 内容は使えるが、スマホで見にくい・見た目が古い | デザイン刷新(構成や原稿は活かして見た目を新しくする) |
| 事業内容が変わった、強みが伝わらない、問い合わせが来ない | 全面リニューアル(誰に何を伝えるかから作り直す) |
| 自社で更新できず、セキュリティにも不安がある | 更新の仕組み(CMS)ごと作り直す |
判断に迷ったら、「成果が出ていない原因が、見た目なのか中身なのか」を考えてみてください。見た目の問題ならデザイン刷新で十分ですが、中身の問題なら作り直さないと成果は変わりません。リニューアルの種類ごとの費用の目安は「ホームページリニューアルの費用相場は?」で詳しく解説しています。
リニューアルの前に、まず確認しておきたいこと
- ドメインとサーバーの名義——前の制作会社の名義になっていると、移管に時間がかかることがある
- よく見られているページ——アクセス解析で確認し、評価されているページの内容は残す
- 問い合わせの経路——電話、フォーム、メールのどこから問い合わせが来ているか
- 更新を担当する人——公開後に誰が、どのくらいの頻度で更新するか
ホームページの古さセルフチェック
最後に、自社のホームページの状態を確かめられるセルフチェックを用意しました。スマートフォンで自社のホームページを開きながら、一つずつ確認してみてください。
ホームページの古さチェック
- スマホで開くと、文字が小さすぎたり、横にはみ出したりする
- アドレスバーに「保護されていない通信」と表示される、またはURLが「http://」で始まる
- お知らせや実績の最新日付が、1年以上前になっている
- 文章を少し直すだけでも、制作会社に依頼しないといけない
- 開いてから表示されるまでに、3秒以上かかる
- 載っている事業内容やサービスが、今の会社と合っていない
- 問い合わせの入口が、電話番号だけになっている
- 採用情報がない、または「随時募集」程度しか書かれていない
- 働いている人の顔や、会社の雰囲気が分かる写真がない
- ドメインやサーバーの契約者・管理方法を、社内の誰も把握していない
3つ以上当てはまる場合は、ホームページが機会を逃している可能性が高い状態です。リニューアルを検討するタイミングといえます。
よくある質問
ホームページは何年くらいでリニューアルするのが一般的ですか?
一般的には3〜5年が見直しの目安といわれます。ただし、年数だけで決める必要はありません。スマホで見にくい、情報が更新できない、問い合わせや応募が減ったといった問題が出ていれば、作ってからの年数に関係なく見直しを考えるタイミングです。逆に、問題なく成果が出ているなら、急いで作り直す必要はありません。
問い合わせはもともとホームページから来ていません。それでもリニューアルは必要ですか?
ホームページから直接問い合わせが来ていなくても、紹介や営業で知った人、求職者、金融機関などが、会社を確かめるためにホームページを見ています。そこで古い印象を与えると、気づかないうちに機会を逃している可能性があります。問い合わせの入口としてだけでなく、会社の信頼を確かめられる場所として考えることが大切です。
「保護されていない通信」と表示されるのですが、すぐに対応したほうがいいですか?
はい、早めの対応をおすすめします。この表示は、ホームページが暗号化された通信(SSL)に対応していないことを示しています。訪れた人に不安を与えるだけでなく、お問い合わせフォームに入力された内容が保護されない状態でもあります。多くのサーバーでは比較的簡単に対応できるので、まずは今のサーバーで設定できるかを確認しましょう。
自社で更新できるようにしたいのですが、難しくないですか?
WordPressなどのCMSを使えば、文章や写真の差し替え、お知らせの追加は、ブログを書くような感覚でできるようになります。リニューアルの際に、更新する人が実際に操作して練習する時間を設けてもらうと安心です。更新する範囲を「お知らせと実績だけ」のように絞っておくのも、続けやすくするコツです。
リニューアルに適した時期はありますか?
採用を強化したいなら、求人を出す時期の2〜3か月前までに公開できるよう逆算するのがおすすめです。また、サーバーの契約更新、会社の周年や代替わり、新しいサービスの開始なども、見直しのよいきっかけになります。補助金を使いたい場合は、公募のスケジュールに合わせて準備を始める必要があります。
まとめ
スマートフォンの普及と検索エンジンの変化によって、ホームページは「スマホで見られ、比べられるもの」になりました。10年前に作ったままのホームページは、スマホで見にくい、情報が古い、更新できないといった問題を抱え、気づかないうちにお客様や求職者を遠ざけている可能性があります。
リニューアルの目安は一般に3〜5年といわれますが、大切なのは年数ではなく、「今の会社の姿と、ホームページが伝えていることが合っているか」です。採用の強化、事業の変化、代替わりなど、会社が変わるタイミングこそ、ホームページを見直す好機です。
まずはセルフチェックで、自社のホームページの状態を確かめてみてください。
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